しくみ
どうして、生理痛が起きるのでしょう。
まず、子宮周辺の構造を説明します。妊娠していない時の子宮はとても小さく、経血が出る口(子宮頸管)はとても細いものです。子宮自体は筋肉でできており、生理の時は、子宮が伸び縮みして経血を押し出しています。
この、子宮の収縮の命令を出すのが「プロスタグランジン」という物質で、これ自体が痛みを引き起こします。
原因
血の巡りの悪さ
月経の時、子宮周りに血流が悪く冷えていると筋肉が固くなり、うまく伸び縮みできません。すると、さらに強い力をかけて経血を押し出そうと余計に「プロスタグランジン」が分泌され、生理痛が起こります。
栄養不足
経血がドロっとした塊だった経験はありませんか?子宮内膜として子宮内にとどまっているときは、「赤ちゃんのベッド」などと表現されるように、ドロっとしたゼリー状です。しかし、生理で経血として排出される時は、サラサラの液状に変わって排出されやすくなります。なんらかの原因(後述)で経血がゼリー状のままだと、子宮を強く収縮させて絞り出さないと排出できないため、この時もまた「プロスタグランジン」の分泌が増え生理痛が起こります。
経血がゼリー状から液状になるのは酵素による分解のおかげです。食生活が悪く栄養が偏りがちだったりすると、酵素が足りず塊の経血が出ることがあり、生理痛の原因となっています。この酵素は血液をサラサラにする働きがあり、納豆や魚類(特に青魚)などから取ることができます。
若さ
若い時は子宮頸管が未発達で細いため、経血が排出されにくいことがあります。また、経血量がかなり多いこともあるため、酵素の量が追いつかず、経血が塊のまま排出されやすく、これらが生理痛の原因となっています。
体質
子宮が後傾、前傾しているため経血の排泄がしにくく、プロスタグランジンの量が多くなってしまったり、中には、プロスタグランジンの分泌量が生まれつき多い方もいらっしゃるそうです。
まとめ
体が温かく、栄養がきちんと取れていれば、かなりの生理痛は軽減できる
参考文献
細川モモ「生理のことで知っておくべきこと」2021 日経BP